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【概要】

グローバル・ワン不動産投資法人(8958)は、大手町の5分割譲渡と札幌と名古屋の2物件の取得を決定。第38期決算は、水道光熱費の増加やその他賃貸事業収入の減少に対し、修繕費等のコストコントロールで増益を確保

◎決算ハイライトと業績予想
・営業収益は56.9億円(前期比+0.6%)、当期純利益は22.9億円(+1.7%)、1口当たり分配金は2,426円(+15円)
・予想比較:水道光熱費の上振れを主因として減益。
・前期比較:水道光熱費の増加やその他賃貸事業収入の減少に対し、修繕費等のコストコントロールで増益を確保。圧縮積立金取崩しにより、分配金は2,426円を確保
・第39期の業績は、営業収益は66.4億円、当期純利益は29.9億円、1口当たり分配金は2,860円を予想
・第40期の業績は、営業収益は72.1億円、当期純利益は34.5億円、1口当たり分配金は3,038円を予想
・既存10物件では賃料等収入が減少するも、修繕費・外部委託費等の減少により増益
・名古屋の取得や大手町第2回売却(30%持分)により、分配金は3,038円に(39期DPU予想比+6.2%)

◎運用状況
▽内部成長
・ポートフォリオ稼働率は前期比△1.3ポイントの96.7%へ低下(2022年9月末時点)
・平河町が1フロアの退去により83.8%に低下し、豊洲は約90%でほぼ横ばいも、その他物件は高位安定稼働
・平河町は約10年ぶりに空室が発生。淀屋橋は解約が発生するも、ダウンタイムなく大部分を埋戻し。リーシング注力物件のリーシングは進展し、ポートフォリオ稼働率は回復見込み
・テナント入替・賃料改定の結果、契約ベースの月額賃料は前期比0.1百万円増加
・16期連続での賃料増額はならずも、39期は増額達成の見込み
・第38期の改定実績は、全39件のうち、増額11件、据置26件、減額2件で、平均増減率は△0.7%
・第39期の改定見込は、全19件のうち、増額8件、据置4件、減額0件、交渉中7件で、平均増減率は5.4%
・マーケット賃料を踏まえ、テナントとの丁寧な対話により、トータルでの賃料増額を目指す
・マーケット賃料は東京都内は下落傾向(大手町・平河町・錦糸町は横ばい)、横浜・さいたま・大阪は横ばい
▽外部成長
・過去最大の計343億円の物件取得を伴う戦略的資産入替を実施
・ポートフォリオの収益性向上・若返り・エリア分散が進展し、資産規模2,000億円を達成予定
・当面の目標である2,000億円を達成して次の成長ステージへ
・収益安定化・ポートフォリオの質向上のための資産入替を継続検討
▽財務
・公募増資を通じてLTVを低減し、財務基盤を強化するとともに更なる取得余力を確保
・長期固定金利を主軸とした調達を維持し、規律ある財務運営を継続
・ボンド・ローンともに同年限でリファイナンスし、期日を分散
・更なる内部留保積上げによる安定した分配金マネジメントの実現
▽ESGへの取組み
・ESGレポートの発行等、ESG全般で幅広い取組みを継続
・GRESBリアルエステイト評価は3年連続「5スター」を取得