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【概要】

グローバル・ワン不動産投資法人(8958)の第40期決算は、修繕費の下振れ、水道光熱費収支の改善を主因として増益。当期分配金は予想比±0円の3,038円で着地

◎決算概要と業績予想
・営業収益は72.3億円(前期比+8.6%)、営業利益は37.7億円(+13.0%)、当期純利益は33.5億円(+14.7%)、1口当たり分配金(DPU)は3,038円(+178円)
・予想比較:修繕費の下振れ、水道光熱費収支の改善を主因として増益。当期分配金は予想比±0円の3,038円で着地
・前期比較:既存10物件では賃料等収入が減少するも、大手町第2回売却(30%持分)、札幌通期寄与、名古屋取得等により増益。圧縮積立金積立額の調整により分配金は業績予想通りの3,038円を維持(前期DPU実績比+6.2%)
・第41期の業績は、営業収益は71.9億円、営業利益は37.4億円、当期純利益は33.2億円、1口当たり分配金(DPU)は2,959円を予想
・大手町の持分減少に伴う賃料等収入減収により減益予想も、名古屋通期寄与と既存8物件で賃料等収入が増加。一定の内部留保を行い、分配金は当初予想の2,959円を維持(40期DPU予想比△2.6%)
・第42期の業績は、営業収益は64.4億円、営業利益は31.1億円、当期純利益は26.7億円、1口当たり分配金(DPU)は2,400円を予想
・大手町売却益の減少により減益予想も、既存8物件で賃料等収入が増加。一定の内部留保を行い、分配金は2,400円を見込む(41期DPU予想比△18.9%)

◎運用状況
<内部成長>
▽稼働の状況
・ポートフォリオ稼働率は前期比+0.3ポイントの96.6%へ上昇(2023年9月末時点)
・仙石山が一時的に83.8%まで低下するものの、豊洲は83.9%まで回復し、その他物件は高位安定稼働
▽テナント入替の状況・豊洲及び横浜の稼働率見通し
・横浜の当期発生空室は埋め戻しが概ね完了し、錦糸町も小規模区画はダウンタイムなく埋め戻し済み
・豊洲はリーシングが若干進展し、2024年1月には稼働率が86.3%まで回復する見込み
・豊洲は引き続き稼働優先のリーシングを継続し、横浜は早期の埋め戻しに向けてリーシングを本格化
▽賃貸マーケット動向
・当期も好況期のようにグレードアップ・業容拡大を目的とする移転が多く、大規模区画の成約事例が更に増加
▽テナント入替・賃料改定による月額賃料変動
・テナント入替・賃料改定の結果、契約ベースの月額賃料は前期比2.2百万円増加
▽賃料改定 ①現在の状況
・当期も増額で着地し、今期も増額を継続できる見込み
・第40期の改定実績は、全50件のうち、増額11件、据置36件、減額3件で、平均増減率は5.3%
・第41期の改定見込は、全27件のうち、増額7件、据置9件、減額0件、交渉中11件で、平均増減率は6.3%
▽賃料改定 ②今後の見通し
・マーケット賃料を踏まえ、テナントとの丁寧な対話により、トータルでの賃料増額を目指す
▽マーケット賃料の状況
・東京都内は下げ止まり、その他の地域含め全物件で横ばい
▽水道光熱費収支の状況
・電力料金の上昇は一服し、収支は改善傾向
<外部成長>
▽外部成長への取組み
・中長期目標の資産規模2,500億円に向かい着実に前進
▽交換①(淀屋橋 ⇔ 上野)
・(淀屋橋 ⇔ 上野)により、NOI利回り・償却後NOI利回りの向上を実現
・収益性向上・築年若返りが進展するとともに、将来の外部成⻑機会を確保
・バリューアップ⼯事により収益性向上を図り、早期物件取得を目指す
▽交換②(南青山 ⇔ 新ダイビル・土佐堀)
・テナント分散の進展・賃料アップサイド余地の獲得
<財務>
▽財務運営の推移
・長期固定金利を主軸とした調達を維持し、規律ある財務運営を継続
▽返済期日の分散状況(2023年9月30日現在)
・10億円の減額リファイナンスに加えてフロートFIXローンを導入し、コストを抑制
▽内部留保
・更なる内部留保積上げによる安定した分配金マネジメントの実現
<ESGへの取組み>
▽当期のトピックス
・女性取締役選任によるダイバーシティの推進等、さらなる幅広い取組みを継続