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【概要】

グローバル・ワン不動産投資法人(8958)の第42期決算は、大手町売却益の減少により減益も、フリーレントの解消等で賃貸事業損益が増加。一定の内部留保を行い、分配金は当初予想比+128円の2,528円を確保

◎決算概要と業績予想
・営業収益は64.8億円(前期比△9.4%)、営業利益は32.4億円(△14.1%)、当期純利益は28.1億円(△16.2%)、1口当たり分配金は2,528円(△431円)
・予想比較:水道光熱費収支の改善、修繕費の下振れを主因として増益。当期分配金は当初予想比+128円の2,528円で着地
・前期比較:大手町売却益の減少により減益も、フリーレントの解消等で賃貸事業損益が増加
一定の内部留保を行い、分配金は当初予想比+128円の2,528円を確保
・第43期の業績は、営業収益は68.7億円、営業利益は36.6億円、当期純利益は32.3億円、1口当たり分配金は3,238円を予想
・横浜のテナント退去の影響で賃料等収入が減収予想も、錦糸町売却益の計上により大幅増益見込み
・圧縮積立金取崩しを行い、分配金は3,238円を見込む
・第44期の業績は、営業収益は63.0億円、営業利益は32.8億円、当期純利益は28.2億円、1口当たり分配金は2,542円を予想
・錦糸町売却益の減少により減益予想も、豊洲と横浜でリーシングが進展
・圧縮積立金取崩しを行う一方、売却益の一部を内部留保し、分配金は2,535円を見込む

◎運用状況
<内部成長>
*稼働の状況
・横浜の稼働低下を主因にポートフォリオ稼働率は前期比△1.0ポイントの96.2%に低下(2024年9月末時点)
*テナント入替の状況・リーシング注力物件
・豊洲は計画に変更が生じ、時期が遅れたものの、稼働率は90%以上に回復の見込み
・横浜はショウルーム(パナソニック跡の区画)は、スポンサーである明治安田生命から入居申込書を受領
・品川はリーシング活動の状況等を踏まえ、当面は売却活動に注力
*テナント入替・賃料改定による月額賃料変動
・テナント入替・賃料改定の結果、契約ベースの月額賃料はネットで前期比2.5百万円増加
*賃料改定 ①現在の状況
・当期も増額で着地し、今期も増額を継続できる見込み
・第42期の改定実績は、全32件のうち、増額14件、据置17件、減額1件で、平均増減率は4.0%
・第43期の改定見込は、全22件のうち、増額7件、据置7件、減額0件、交渉中8件で、平均増減率は4.5%
*賃料改定 ②今後の見通し
・賃料上昇の傾向を捉え、トータルでの賃料増額を目指す
*マーケット賃料の状況
・賃料は下げ止まり、東京の物件を中心に上昇
<外部成長>
*外部成長への取組み
・中長期目標の資産規模2,500億円に向け活動を継続
*資産入替に対する取組み:錦糸町の売却
・含み益を上回る売却益の創出
・3期分割売却により、各期の売却益の全部または一部を投資主に還元する計画
・NOIや1口当たりNAVの減少に対する対応策
<財務>
*財務運営の推移
・長期固定金利を主軸とした調達を維持し、規律ある財務運営を継続
*返済期日の分散状況(2024年9月30日現在)
・借入金のリファイナンスは期日分散し短期化・投資法人債(30億円)は手元資金で期日償還
*内部留保
・更なる内部留保積上げによる安定した分配金マネジメントの実現
*自己投資口の取得・消却
・自己投資口の取得・消却を完了し(発行済投資口数の1.9%)概ね想定どおりの財務効果を獲得
<ESGへの取組み>当期のトピックス
社会への取組みを中心に、幅広い取組みを継続
*2024年GRESB評価
・5年連続でリアルエステイト評価「5スター」・開示評価の最上位「Aレベル」を獲得
*テナントと地域社会への取組み
・北海道産食材の魅力発信キッチンカーフェア&出張販売開催(札幌)
・家庭料理のテイクアウトステーション「マチルダ」を誘致(豊洲)
*GARの従業員への取組み
・長時間労働是正の取組み
・ハラスメント防止に向けた取組み
・衛生委員会の立上げ
*ガバナンスへの取組み
・リスク管理専任の執行役員を選任