【概要】

グローバル・ワン不動産投資法人(8958)の第43期決算は、横浜のテナント退去の影響で賃料等収入が減収も、錦糸町と品川の売却益計上により大幅増益

◎決算概要と業績予想
・営業収益は74.7億円(前期比+15.3％)、営業利益は42.0億円(+29.6％)、当期純利益は38.1億円(+35.4％)、1口当たり分配金は3,835円(+11,307円)
・予想比較：不動産等売却益の増加、修繕費の下振れを主因として増益。当期分配金は予想比+63円の3,835円で着地
・前期比較：横浜のテナント退去の影響で賃料等収入が減収も、錦糸町と品川の売却益計上により大幅増益
・分配金は前期比+1,307円の3,835円となり、大幅に増加（前期DPU比+51.7％）
・第44期の業績は、営業収益は80.2億円、営業利益は50.1億円、当期純利益は45.2億円、1口当たり分配金は4,126円を予想
・平河町のテナント退去の影響で賃料等収入が減収予想も、横浜の売却益計上により大幅増益見込み
・圧縮積立金取崩しを行う一方、売却益の一部を内部留保し、分配金は4,126円を見込む（43期DPU比+7.6％）
・第45期の業績は、営業収益は71.3億円、営業利益は43.0億円、当期純利益は37.5億円、1口当たり分配金は3,389円を予想
・横浜売却益の減少により減益予想も、フリーレントの解消等で賃貸事業損益が増加
・圧縮積立金取崩しを行う一方、売却益の一部を内部留保し、分配金は3,389円を見込む（44期DPU予想比△17.9％）

◎運用状況
＜内部成長＞
▽稼働の状況
・ポートフォリオ稼働率は前期比2.7ポイントの98.9％に上昇（2025年3月末時点）
▽テナント入替の状況・マーケットでの大規模移転事例
・空室の埋戻しが順調に進展
・大規模移転事例のうちグレードアップ移転が過半
▽テナント入替・賃料改定による月額賃料変動
・テナント入替・賃料改定の結果、契約ベースの月額賃料はネットで前期比1.5百万円減少
▽賃料改定 ①現在の状況
・当期も増額で着地し、今期も増額を継続できる見込み
・第43期の改定実績は、全22件のうち、増額7件、据置14件、減額1件で、平均増減率は1.5％
・第44期の改定⾒込は、全76件のうち、増額39件、据置16件、減額2件、交渉中19件で、平均増減率は4.0％
▽賃料改定 ②今後の見通し
・積極的な増額交渉でマーケット賃料上昇・物件取得で生まれたレントギャップを解消へ
▽マーケット賃料の状況
・賃料は本格的な上昇局面入りし、当期も東京・大阪の物件を中心に上昇
＜外部成長＞
▽外部成長への取組み
・資産規模2,500億円に向け活動を継続
▽相互売買（横浜⇔梅田）①概要
・スポンサーとの相互売買により、資産規模拡大とNOI利回り・償却後NOI利回りの向上を実現
▽相互売買（横浜⇔梅田）②取組み意義
・資産規模の拡大とともに、NOI向上による内部成⻑の余地を確保
＜財務＞
▽財務運営の推移
・長期固定金利を主軸とした調達を維持し、規律ある財務運営を継続
▽返済期日の分散状況（2025年3月31日現在）
・減額（△10億円）と短期化を組み合わせたリファイナンスでコストアップを抑制
・物件売却資金を活用した変動金利借入（28億円）の期限前弁済によりコスト削減
▽売却益の内部留保
・6期に亘る内部留保で、長期的な分配政策を支える財務基盤を一層強化し、今後も投資主還元を徹底
＜ESGへの取組み＞
・幅広い取組みを継続