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【概要】

平和不動産リート投資法人(8966)の第38期決算は1口当たり分配金は、2,680円 (前期比+130円)、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的

◎決算ハイライト
・営業収益は70.7億円(前期比+4.8億円)、営業利益は36.7億円(+4.7億円)
・1口当たり分配金は、2,680円 (前期比+130円)、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的
・物件譲渡益890百万円(前期比+559百万円)が増益に寄与。一部を分配金に充当し、残額を内部留保することで将来の分配金の拡大・安定化に活用
・新規物件取得、金利費用削減および自己投資口の消却もEPUの増加に寄与
・新型コロナ禍によるレジデンスの稼働率低下は、一過性の費用の集中投下により解消。第39期初の稼働率は過去最高水準からの好スタートとなる
▽外部成長
・資産の入替:HF梅田レジデンスTOWERを譲渡、8.9億円の譲渡益を得る。その一方で、9月にはHF大濠レジデンスBAYSIDEを取得し、10月には東菱ビルディングの取得を決定。来期以降に渡る収益の段階的な向上を見込む
・期末の資産規模は前期末の1,787億円から微減するも、売買予定物件を含めると1,798億円に拡大の見込み
▽内部成長
・稼働率:オフィスの期中平均稼働率が98.70%と高位安定。レジデンスの稼働率は、一時的に新型コロナ禍の影響を受けたものの、期末には97.76%まで回復。竣工同時取得のためリースアップ中の1物件を除くと98.19%と過去最高を更新
・NOI利回り:以前に取得した物件の公租公課の費用計上開始、新型コロナ禍を受けたレジデンスの期中稼働率の低下などにより利回りは低下。しかし、これらは一過性で将来への持越しはないことから来期以降の利回り改善を見込む
▽財務運営
・資金調達コストの低下:良好な金融環境を背景に借入金利が低下。調達期間が長期化する一方で、資金調達コストは過去最低水準を更新
・健全な財務体質:新型コロナ禍の拡大に備え、物件譲渡による手許現金確保、コミットメントライン拡充、内部留保の拡充を実施。鑑定LTVの水準も低く、本危機を十分に乗り切ることが可能な財務体質を維持
▽投資主価値
・分配金の向上:新型コロナウイルスの影響が一定程度あったものの、譲渡益の一部を含めて分配金増加を実現
・内部留保:譲渡益の一部を内部留保することで分配金支払原資を拡充。将来の分配金水準の維持・向上の蓋然性が向上
・自己投資口の取得:新型コロナ禍の影響で投資口価格が大きく下落している状況をとらえ、発行済投資口総数の1.5%にあたる投資口を取得。1口NAV,EPUの向上に寄与
▽新型コロナウイルス感染症による影響
オフィス - 賃貸事業利益への影響は軽微
・稼働率:影響は見られない。過去の平均水準を上回る稼働率を維持
・賃料減額要請:一部の商業テナント、旅行代理店系列のオフィステナントなどから賃料減免要請を受ける。新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けたテナントに対しては、敷金からの賃料充当や賃料減免等で運営に協力する方針。テナントが受けた影響額の把握、値下げ額の協議などテナントとのコミュニケーションは丁寧にとっていく。2度目の緊急事態宣言において、その影響が懸念される飲食店舗テナントは8件と限られており、収益インパクトは限定的
・賃料増額改定の見通し:緊急事態宣言以降見合わせていた賃料改定交渉を8月下旬に再開。交渉のペースは従来に比べると緩やかではあるが、着実に賃料ギャップを回収。市場賃料の水準に変化が見られないことから、賃料増額の余地は十分に残っていると思われる
レジデンス - 稼働率が低下するも、リーシング施策によって期末には回復
・稼働率:テナントの動きが減退。特に東京都心部での稼働率が低下。長期化の懸念もあったことから状況改善のため、リーシング施策としてインターネット無料化、家具家電の設置、募集条件の緩和を実施。稼働率は過去最高水準まで回復 ・賃料減額要請:新型コロナウイルス感染症の影響は見られない
・賃料増額改定の見通し:更新時の賃料改定は新型コロナウイルス感染症の影響は受けていない。新規賃料は稼働率改善施策の一環として募集賃料の引き下げを実施したことで低下したが、対応期間を1カ月間に限っており、また稼働率の回復とともに従来の賃料水準に戻して募集活動をしていることから将来見通しに与える影響は限定的

◎第39期(2021年5月期)・第40期(2021年11月期)運用状況の予想
・第39期の営業収益は66.7億円(前期比-3.9億円)、営業利益は32.5億円(-4.1億円)、1口当たり分配金は2,800円 (+120円)を予想
・第40期の営業収益は63.0億円(前期予想比-3.7億円)、営業利益は28.9億円(-3.6億円)、1口当たり分配金は2,800円 (前期比変わらず)を予想
・新型コロナウイルス感染症の影響を織り込んだうえで継続的な賃貸収益の改善を見込む
・第39期および第40期の1口当たり予想分配金は第38期比+120円の2,800円を予想
・外部成長:第39期の物件譲渡益計上(405百万円)を見込むが、対前期比での譲渡益額の低下(-485百万円)が利益減少の要因
・内部成長:第37期に竣工と同時に取得した物件のリースアップ、第38期及び第39期初の新規取得物件による営業収益寄与を含め、賃貸収益は継続的な増加を見込む
・財務戦略:金利の高い借入金の満期が到来。良好な金融環境のもと、リファイナンスとともに金利費用の減少を見込む

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