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【概要】

平和不動産リート投資法人(8966)の第40期決算は譲渡損益を除く当期純利益は過去最高を更新。1口当たり分配金は第39期比+90円の2,890円

◎決算ハイライト
・営業収益は68.7億円(前期比+1.4億円)、営業利益は33.6億円(+0.5億円)
・譲渡損益を除く当期純利益は過去最高を更新。1口当たり分配金は第39期比 +90円の2,890円
・物件譲渡益の減少(前期比 - 160百万円)が減収要因となったが、譲渡損益を除く当期純利益(2,735百万円)とEPU(2,590円)はともに過去最高を更新
・公募増資時および期中の物件取得が収益寄与
・オフィス・レジデンスのリーシングはともに局所的な苦戦は見られるが、ポートフォリオ全体の稼働率は高位安定
▽外部成長
・公募増資:本決算期初に公募増資および第三者割当増資を実施。総額86.9億円のエクイティ調達を実施し、物件取得資金に充当
・資産の入替: HF九大病院前レジデンスを譲渡、244百万円の譲渡益を得る。その一方で、ファーレイーストビルとHF草加レジデンスを取得し、期末の資産規模は1,947億円に拡大
▽内部成長
・稼働率:オフィスの期中平均稼働率は98.78%。首都圏においては本決算期の大半が緊急事態宣言あるいは蔓延防止等重点措置期間となったが、オフィス稼働率は期を通じて高水準を維持。レジデンスは、リーシング上の非繁忙期ではあったが、繁忙期にあたる前期並みの96.4%となった。また、期末の稼働率は97.3%と回復基調にあることから翌期の繁忙期においてさらなる改善を期待
・NOI利回り:商業テナントの賃料改定が影響し、オフィスの既存物件利回りが低下。ポートフォリオの平均利回りは5.27%となった
▽財務運営
・資金調達コストの低下:良好な金融環境を背景に借入金利が低下。調達期間が長期化する一方で、資金調達コストは過去最低水準を更新
・健全な財務体質:フリーキャッシュ79.1億円、コミットメントライン70億円、内部留保54.1億円と不測の事態に十分対応可能な残高を有する。公募増資後には鑑定LTVが低下したことで、借入余力も拡大。新規行の招聘によりレンダーフォーメーションが拡大、格付は見通しが改善されA+(ポジティブ)に向上
▽投資主価値
・分配金の向上:堅調なポートフォリオ運営と資産入替に伴う譲渡益を裏付けとして分配金は前期比+90円の2,890円に。本決算期初より新たな中・長期目標を掲げ、3,300円に向けての取り組みを開始
・NAV:コロナ禍ではありながらも堅実なキャッシュフロー創出とCapレート低下を受けて鑑定評価額が増加。NAVは過去最高を更新高を更新
▽新型コロナウイルス感染症による影響
<オフィス>
・稼働率:影響は見られない。過去の平均水準を上回る稼働率を維持
・賃料減額要請:新型コロナ禍を理由とした減額要請は限定的。新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けたテナントに対しては、敷金からの賃料充当や賃料減免等で運営に協力する方針。テナントが受けた影響額の把握、値下げ額の協議などテナントとのコミュニケーションは丁寧にとっていく
・賃料増額改定の見通し:本決算期間中の大半が緊急事態宣言あるいは蔓延防止等重点措置期間であったことから、既存テナントとの賃料改定金額は小幅な伸びに留まったものの10月の宣言解除とともに積み上げが進む。商業エリアの物件において店舗テナントとの賃料交渉は厳しくなってきているが、オフィステナントとは交渉の機会が得られれば賃料ギャップの回収が可能な状況にある。賃料ギャップは大きくあることから賃料増額の余地は十分に残っていると思われる
<レジデンス>
・稼働率:96%台での安定した推移が続く。局所的には依然として需要の弱いエリアも見られるが、全国的には継続的な回復基調が確認できており、期末稼働率は97.3%と同月としては過去3番目に高い水準を付けた
・賃料減額要請:新型コロナウイルス感染症の影響は見られない
・賃料増額改定の見通し:更新時の賃料改定は新型コロナウイルス感染症の影響は受けていない。新規賃料は、一部の需要の弱いエリアにおいて弾力的な賃料設定を行っていることから若干弱含むも、ポートフォリオ平均としてはほぼ前期並みの水準で着地

◎第41期(2022年5月期)・第42期(2022年11月期)運用状況の予想
・第41期の営業収益は68.2億円(前期比-0.5億円)、営業利益は31.6億円(-1.9億円)、1口当たり分配金は2,940円 (+50円)を予想
・譲渡損益を除く当期純利益は過去最高更新を見込む
・予想上は物件の売買を想定せず物件譲渡益の剥落(前期比-244百万円)による利益減少を見込むが、第41期は新規取得物件の寄与等により譲渡損益を除く当期純利益とEPUはともに過去最高値を見込む
・レジデンスは新規取得2物件のリースアップを予定通りに完了。本決算期から巡航ベースでの通期寄与を見込み、繁忙期に臨む
・第42期の営業収益は68.0億円(前期予想比-0.1億円)、営業利益は31.6億円(-0.07億円)、1口当たり分配金は2940円(変わらず)を予想
▽内部留保のコントロールと投資主還元
・継続的な資産入替によるポートフォリオの質の改善を実施。前回公募増資以降の売買は累計で46件 752億円(第41期初取得を含めて49件 792億円)に上る
・資産入替に伴う譲渡益累計54.5億円は一部を分配金に、残額を内部留保の蓄積に充てることで、長期にわたる安定した分配金原資を確保
・内部留保拡大余地は64.7億円を残す

◎運用状況
▽外部成長
・スポンサーサポートを活用したパイプラインの構築
▽内部成長
<オフィス>
・新型コロナ禍が長期化する中、テナント従業員の出社率はコロナ前の水準を回復
・緊急事態宣言長期化の影響から賃料改定件数は減少したものの、宣言解除と同時に交渉も進展
・一部の物件で市場賃料が低下したが、依然として十分な賃料ギャップを残す
・商業店舗入替の影響で平均契約賃料単価は僅かながら低下するも、オフィス区画の賃料は増加
<レジデンス>
・期末稼働率は97.28%、期中は巡航稼働前の新築2物件を含めてなお96%を超える稼働率を維持
・一部の物件でリーシング施策を実施。更新時賃料改定は新型コロナ禍前を上回る
・期末稼働率は全エリア・全物件タイプで新型コロナ禍前の水準を回復
<バリューアップ工事>
・リニューアル工事による物件競争力強化と資産価値の維持向上
▽含み損益額の推移
・含み益額が増加、キャップレートはレジデンスを中心に低下傾向が続く
▽財務戦略
・新型コロナ禍において健全な財務体質を維持 – 格付け見通しが改善
・健全な財務体質を維持 - LTVと調達金利が低下
・健全な財務体質を維持 - 安定した償還構造と十分な手元流動性

◎サスティナビリティ ー 再生可能エネルギー
・低炭素社会の実現に向けて:再生可能エネルギーへの切り替え
・TCFDの提言に対する賛同を表明

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