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【概要】

平和不動産リート投資法人(8966)の第41期決算は期中の物件取得が収益寄与、当期純利益は前期比+7.5%の増加。1口当たり分配金は第40期比 +160円の3,050円

◎決算ハイライト
・営業収益は73.2億円(前期比+4.4億円)、営業利益は36.0億円(+2.4億円)
・当期純利益は前期比+7.5%の増加。1口当たり分配金は第40期比 +160円の3,050円
・物件譲渡益(462百万円)が増収・増益に寄与。当期純利益とEPUがともに伸長しEPUは+210円の3,024円、分配金は前期比+160円の3,050円に
・期中の物件取得が収益寄与
・レジデンスのリーシングにおいて局所的な苦戦は見られるが、オフィスを含めたポートフォリオ全体の稼働率及び収益は高水準で安定推移
▽本投資法人を取り巻くリスクへの対応
①新型コロナ禍 ②インフレーションの加速 ③金利上昇圧力 ④円安
・平和不動産グループ総力を挙げた投資法人運営
・資産入替による巡航EPUの向上と含み益の顕在化
・競争を排除した物件取得
・オフィスの賃料ギャップの具現化
・都心のシングル・コンパクトタイプレジデンスの需要回復

◎第42期(2022年11月期)・第43期(2023年5月期)運用状況の予想
・第42期の営業収益は77.9億円(前期比+4.7億円)、営業利益は39.5億円(+3.4億円)、1口当たり分配金は3,115円 (+65円)を予想
・第42期初に公募増資を通じて取得した新規物件の寄与及び譲渡益等により当期純利益とEPUの増加を見込む
・第42期と第43期の2期に分けてグレイスビル泉岳寺前を譲渡。一部を分配金に充当し、残余の内部留保への繰り入れを見込む
・第43期の営業収益は78.0億円(前期予想比+0.06億円)、営業利益は38.9億円(-0.54億円)、1口当たり分配金は3,115円(変わらず)を予想
▽内部留保のコントロールと投資主還元
・継続的な資産入替によるポートフォリオの質の改善を実施。前々回公募増資以降の売買は累計で48件 857億円(第42期初取得を含めて55件 1,054億円)に上る
・資産入替に伴う譲渡益累計59.1億円は一部を分配金に、残額を内部留保の蓄積に充てることで、長期にわたる安定した分配金原資を確保
・内部留保拡大余地は62.3億円を残す
・内部成長と着実な資産入替による外部成長を通じた分配金成長を潤沢な内部留保が下支え
・今後も積極的な含み益の顕在化と内部留保の活用により、「NEXT VISION」中長期目標である1口当たり分配金3,300円の達成を目指す

◎運用状況
▽外部成長
・2年連続となる公募増資を実施(第42期初)
・スポンサーが固定資産の一部を販売用不動産に振替えを実施
・スポンサーサポートを活用した普通借地開発
・スポンサーとの協働により、借地権のデメリットを克服。併せて借地権本来のメリットを最大限に享受できるスキームを構築
・共有物件・区分所有物件の追加取得によるポートフォリオ価値の向上
▽内部成長
<オフィス>
・期中平均稼働率は98.7%、コロナ禍においても安定的に98%台後半で推移
・稼働率回復の過程において長期空室4区画(19坪 13カ月、24坪 15カ月、30坪 21カ月、51坪 22カ月)が相次いで埋まったことで空室期間が長期化。これら4区画を除く空室期間は3.6カ月
・新型コロナ禍における本投資法人の稼働率は市場平均を大きく上回る
・本決算期半ばに東京都で発出されていた緊急事態宣言が解除。同時にテナントとの交渉を再開し、件数・金額ともに積み上がりを見せる
・テナント入替による賃料改定率は+4.8%。更新時増額改定率も+7.5%となり改定幅に伸びがみられる。翌期以降への増収寄与も大きく残る
・35物件中、東京都心部の5物件で市場賃料が低下
・新規取得物件の抱える賃料ギャップが大きく第42期初のネットギャップは-5.64%で過去最高を更新。今後の賃料増額改定に期待
・平均賃料単価は、新規取得物件の所在地が地方及び都下であったことから賃料単価が低下し16,137円となった
・賃料改定の進展を受け賃料指数は+0.35ptの改善
・フリーレント解消に伴う自律的な賃料収入拡大は、今後7期間で投資口1口当たり+14円の寄与を見込む
<レジデンス>
・期中平均稼働率は96.8%。2022年3月には97.6%をつけるなど期を通じて高位安定
・期末稼働率は96.6%。期末以降も既存物件のリーシングが順調に推移していること、6月に取得した2物件がいずれも97%台で稼働していること等から翌期以降も安定稼働を期待
・新規契約時賃料改定率は -0.64%。都心の一部物件で弾力的な賃料設定を行ったことが影響したが、増額改定は+7.16%と過去最高の伸びを見せる
・更新時賃料改定率は +0.76%、改定金額+4.6百万円/期と引き続き新型コロナ禍前を上回る
・第41期末平均賃料ギャップは-0.40%、金額では+14百万円/期(+12円/口)あることから、将来の賃料改定による収入増加を期待
・契約賃料単価は新規取得物件が郊外エリアの物件であったことから低下したものの、賃料増額改定の寄与によって賃料指数は上昇
・リーシングにおいて局所的な苦戦はみられるものの、期中平均稼働率は全てのエリアにおいて95%を超えており全体として堅調
<バリューアップ工事>
・LED化、高効率な空調機器および水回り設備の導入等による環境負荷の低減
・無料インターネットの導入によるテナント満足度の向上
▽含み損益額の推移
・含み益額は前期比+3,333百万円の48,879百万円、含み益率は前期比+1.5%の25.8%に改善
・新規取得物件が含み益額272百万円の増加に寄与。さらに第42期初に取得の6物件については1,881百万円の含み益(取得価格対比)を見込む
・キャップレートが低下。鑑定評価額および含み益額の改善傾向が続く
▽財務戦略
・本決算期のファイナンスは、借入金利が0.546%と既存の水準を大きく下回るとともに、調達期間が長期化。日本生命保険を新規招聘しレンダー数が18社に拡大
・第42期初に公募増資を実施。LTV低下、格付向上となる
・期末平均調達コストは0.739%。前期末と同水準ではあったが、調達期間が7.15年と過去最長を更新したことで期間対比の調達コストは過去最低水準を更新
・公募増資後には鑑定LTVは38.92%に低下、借入余力は282億円(LTV=45%)
・リファイナンス及び新規借り入れによって借入金利が低下。第42期以降には再び高い金利の満期が到来することから継続的な金利低下余地に期待。
・安定した借入金の償還スケジュール(平均67.5億円/期)を構築。十分なコミットメントラインと手許現金(合計141億円)で不測の事態に備える

◎サスティナビリティ- Environment
・再生可能エネルギーへの切り替え
・LED化の推進
・TCFDの提言に対する賛同を表明
・目論見書電子化
・壁面緑化の推進
・環境にやさしい取り組み –FSC紙とグラシン紙
・環境認証の取得 – 本決算期末床面積割合 20.9%

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